更新日時
福岡県は猫が多い?飼育数・保護猫・猫島など福岡の猫事情を調べてみた

九州最大の人口を抱える福岡県。
都会のイメージが強い福岡市がある一方で、少し足を延ばせば海や山、島もあります。
そして、猫好きなら一度は聞いたことがあるかもしれない「猫の島」も福岡県にあります。
となると気になるのが、
「福岡県って、猫が多いの?」
ということ。
そこで今回は、福岡県の猫の飼育数をはじめ、保護猫や地域猫への取り組み、猫島として知られる相島まで、福岡の「猫事情」を調べてみました。
福岡県には猫が何匹いる?猫の飼育数を調査
まず知りたいのが、福岡県で暮らしている猫の数。
ところが、実は福岡県にいる飼い猫の正確な頭数はわかりません。
犬には狂犬病予防法に基づく登録制度がありますが、猫にはすべての飼い猫を自治体へ登録する制度がないためです。
これは福岡県だけの話ではなく、全国共通。
以前neko to nikoでも「猫が多い都道府県」を調べましたが、都道府県別の飼い猫の総数を正確に比較できる公的統計は見つかりませんでした。
そのため、「福岡県には猫が○万匹いる」「全国で○位」とは現時点では言えません。
猫のマイクロチップ登録数は15,508頭
飼育頭数そのものではありませんが、参考になるデータのひとつがマイクロチップの登録数です。
環境省の資料によると、令和6年度末の福岡県における猫のマイクロチップ情報登録頭数は15,508頭でした。
ただし、この数字をそのまま「福岡県で飼われている猫の数」と考えることはできません。
すべての飼い猫へのマイクロチップ装着が義務付けられているわけではないため、登録されていない猫もたくさんいるからです。
あくまで、福岡の猫事情を見るためのひとつの参考値として考えておきましょう。
福岡市では猫の「多頭飼い」が半数以上
県全体の飼育頭数はわからないものの、福岡市にはちょっとおもしろい調査があります。
福岡市が令和3年度に行った「ペットに関する市民意識調査」では、猫を飼っている回答者のうち、
- 1頭:47.2%
- 2頭:30.6%
- 3頭:11.1%
- 4頭以上:9.7%
という結果でした。
つまり、2頭以上の猫を飼っている人が51.4%。
平均飼育頭数も、犬の1.26頭に対して猫は2.03頭となっています。
もちろん回答者を対象とした調査なので、「福岡市民の半分が猫を多頭飼いしている」という意味ではありません。
それでも、猫を飼っている人の中では1匹だけではなく、2匹、3匹と一緒に暮らしている家庭も珍しくないことがわかります。
1匹迎えたはずなのに、気づけば2匹。
そして3匹。
猫飼いあるあるなのかもしれません。
福岡県の保護猫事情|譲渡可能な犬・猫の致死処分ゼロへ
猫事情を調べていて、大きな変化だと感じたのが動物愛護の取り組みです。
福岡県は2025年7月、令和6年度も県内の動物愛護センターなどに収容された「譲渡可能な犬・猫」の致死処分がゼロになる見込みと発表しました。
令和5年度に続いて、2年連続です。
ここで注意したいのが、対象が「譲渡可能な犬・猫」であること。
すべての収容猫について致死処分が完全にゼロになった、という意味ではありません。
人になれていない猫や、離乳前の子猫など、譲渡が難しいケースも残されています。
それでも県では、動物愛護団体との連携による譲渡や、保護猫の飼養施設の改修、地域猫活動などを進めています。
収容される動物の多くが猫
令和5年度のデータを見ると、県が扱った犬・猫474頭のうち、猫は444頭、犬は30頭でした。
約94%が猫です。
保護猫や飼い主のいない猫への対応が、動物愛護行政の中でも大きな割合を占めていることがわかります。
福岡県では地域猫・野良猫への取り組みも
外で暮らす飼い主のいない猫を、地域で適切に管理していこうというのが地域猫活動です。
福岡県では、市町村が行う地域猫の不妊去勢手術費用への補助を平成26年度から実施。
さらに令和6年度からは、動物愛護センターに市町村の地域猫事業向けの専用手術室も設けられています。
福岡市でも、飼い主のいない猫への不妊去勢手術や、地域でのトイレ管理、時間と場所を決めたエサやりなどを行う地域猫活動を支援しています。
単に「野良猫を減らす」というだけではなく、猫が好きな人・苦手な人のどちらも暮らしている地域で、どう共生していくかを考える取り組みです。
飼い主のいない猫に関する苦情も
一方で、外で暮らす猫をめぐる問題がなくなったわけではありません。
福岡市の令和6年度の資料では、飼い主のいない猫に関する苦情として、
- 不適切な給餌:76件
- 糞尿など:44件
- 車など物への被害:11件
- 庭・ゴミを荒らす:3件
- 鳴き声:2件
- その他:12件
の合計148件が報告されています。
「猫が好きだからごはんをあげたい」という気持ちだけでは解決できないのが、地域で暮らす猫の難しいところ。
だからこそ、不妊去勢手術やトイレの管理まで含めた地域猫活動が必要とされています。
福岡県の猫島なら「相島」
福岡の猫を語るなら、外せない場所があります。
新宮町の相島(あいのしま)です。
相島は新宮港から沖合に浮かぶ小さな島で、多くの猫が暮らしていることでも知られています。
新宮町の資料でも、島に数多くの猫が生息していることがテレビなどで報道され、猫を目的とした来島者が増えたことが紹介されています。
新宮の渡船場から町営渡船で20分ほど。
福岡で猫に会える場所として知られるスポットです。
相島ではTNR活動も行われている
ただ、相島の猫を単純に「たくさん猫がいてかわいい!」だけで終わらせたくないところ。
島では、飼い主のいない猫へのTNR活動も行われています。
新宮町に登録されている「相島猫の会」は、2021年から活動を開始。
不妊去勢手術を行った地域猫への給餌や水やり、病気・けがをした猫の医療ケア、不妊去勢手術の手配などを行っています。
たくさんの猫と人が同じ島で暮らしているからこそ、猫の健康や繁殖、島民の生活環境まで考えながら共生していく必要があります。
猫島には、かわいい猫たちの姿だけではなく、猫と人が一緒に暮らしていくための活動もあることを知っておきたいですね。
福岡市では猫の「室内飼育」が推奨されている
福岡市の条例では、猫の飼い主に対して、周辺環境に配慮した適正飼養のほか、猫の健康と安全のため屋内で飼育するよう努めることが定められています。
福岡市動物愛護管理センターも、交通事故や近隣トラブルなどを防ぐため、猫の屋内飼育を呼びかけています。
福岡市は、毎年約3,000頭の猫の死体が路上などで回収されていると案内しています。
「猫は外を自由に歩くもの」というイメージもありますが、車や感染症、迷子など、外にはさまざまな危険があります。
猫自身を守るという意味でも、現在は室内飼育が基本になっています。
結局、福岡県は猫が多い県なの?
ここまで福岡県の猫事情を調べてきましたが、
「福岡県は全国的に見て猫が多い県なのか?」
については、やっぱり断定できませんでした。
都道府県別の飼い猫の総数を正確に比較できる統計がないからです。
ただ、猫のマイクロチップ登録数は1万5,000頭を超え、福岡市の調査では猫を飼っている回答者の半数以上が複数頭飼育。
さらに、猫島として知られる相島があり、保護猫や地域猫への取り組みも続けられています。
「猫が何匹いるか」はわからなくても、猫と人との暮らしについて考える機会が多い地域とは言えそうです。
都会の猫も、島の猫も、おうちの猫も。
同じ福岡県でも、猫たちの暮らし方はいろいろ。
いつか全国の猫をちゃんと数えられる日が来たら、福岡県が何位なのかも調べてみたいところです🐈
福岡県で活動する保護猫団体や、里親募集・譲渡会については、福岡県の保護猫団体まとめで詳しく紹介しています。