猫が多い都道府県はどこ?飼育頭数ランキングを調べてわかったこと!

「日本でいちばん猫が多い県って、どこなんだろう?」

猫好きなら、ちょっと気になりませんか?

海沿いの街には猫が多そう。暖かい地域のほうが外で暮らす猫が多いのかな。人口が多い東京がやっぱり1位?

そこでnekotoniko編集部、日本全国の猫の飼育頭数を調べて、都道府県別にランキングを作ってみようと思いました。

……が。

調べてみると、「日本で猫がいちばん多い都道府県」を正確に判断できる公的な統計は見つかりませんでした。

なぜ、犬は都道府県別の頭数がわかるのに、猫はわからないのでしょうか。

今回は、環境省や経済産業省、一般社団法人ペットフード協会が公表しているデータをもとに、日本の猫の飼育頭数について調べてみました。

猫が多い都道府県ランキングはある?

結論からいうと、飼われている猫の数を47都道府県で正確に比較した公的なランキングは、現在のところ確認できません。

理由はシンプルで、日本で暮らすすべての猫を把握できる仕組みがないからです。

犬には登録制度があるけれど猫にはない

犬の飼い主には、狂犬病予防法に基づいて市区町村へ犬を登録する義務があります。

そのため、自治体が把握している「犬の登録頭数」というデータがあり、地域ごとの頭数をある程度比較できます。

一方、猫には犬と同じような、すべての飼い猫を対象とする自治体への登録制度がありません。

経済産業省も、猫については犬のような登録制度が存在しないため、飼育頭数を把握する際に一般社団法人ペットフード協会の「全国犬猫飼育実態調査」を参照しています。

つまり、

  • 東京都には猫が○○万匹
  • 大阪府には猫が○○万匹
  • 福岡県には猫が○○万匹

といった形で、全国共通の方法によって集計された「飼い猫の実数」はないということです。

ランキング作る気満々だったのに、まさかのスタート地点で終了ですにゃ。

参考:経済産業省「ペットブームのその後は?」

マイクロチップの登録数なら猫の数がわかる?

「でも、今は猫にもマイクロチップを入れるんじゃないの?」と思った方もいるかもしれません。

2022年6月1日から、ブリーダーやペットショップなどで販売される犬や猫には、マイクロチップの装着と情報登録が義務化されています。

マイクロチップが装着された猫を迎えた飼い主は、自分の情報へ変更登録する必要があります。

ただし、この制度だけで日本にいるすべての猫を数えることはできません。

すべての飼い猫に装着義務があるわけではない

販売業者以外から迎えた猫や、制度開始前から暮らしている猫など、すべての猫にマイクロチップの装着が義務付けられているわけではありません。

たとえば、保護した猫や知人から譲り受けた猫など、マイクロチップが装着されていない猫もいます。

そのため、マイクロチップの登録頭数をそのまま「その地域で飼われている猫の総数」として扱うことはできません。

参考:環境省「犬と猫のマイクロチップ情報登録について」

日本には猫が何匹いるの?

都道府県別の正確な頭数はわかりませんが、日本全国で飼われている猫の数については推計値があります。

一般社団法人ペットフード協会が実施した「令和7年(2025年)全国犬猫飼育実態調査」では、猫の推計飼育頭数は約884万7,000匹でした。

ただし、これは日本にいる猫を1匹ずつ数えた数字ではありません。

アンケート調査で得られた猫の飼育率や平均飼育頭数などをもとに、日本全国の飼育頭数を推計したものです。

それでも、日本で猫がどのくらい飼われているのかを知るうえでは、現在利用できる代表的な全国調査のひとつです。

884万匹。

想像してみると、とんでもない数の猫ちゃんが、日本全国のどこかで今日もごはんを食べたり、寝たり、突然走り回ったりしているわけです。

最高ですね。

参考:一般社団法人ペットフード協会「全国犬猫飼育実態調査」

自治体のデータで猫が多い地域はわからないの?

環境省では、都道府県や指定都市、中核市ごとに猫に関するデータを公表しています。

ただし、そこで集計されているのは主に、

  • 自治体が引き取った猫の数
  • 返還された猫の数
  • 譲渡された猫の数
  • 殺処分となった猫の数
  • 負傷動物として収容された猫の数

などです。

これらは動物愛護行政を知るうえで重要なデータですが、その地域で暮らしている猫の総数ではありません。

「引取り数が多い県=猫が多い県」ではない

たとえば、ある地域で自治体による猫の引取り数が多かったとしても、それだけで「その県には猫がたくさんいる」とは判断できません。

地域によって、野外で暮らす猫の状況や自治体の収容方針、保護団体との連携、飼い主からの引取り状況なども異なるからです。

反対に、猫がたくさん暮らしている地域でも、自治体に引き取られる猫が少なければ、この統計にはほとんど表れません。

数字はある。

でも、その数字が何を表しているのかを間違えると、まったく違うランキングができてしまいます。

「猫の引取り数ランキング」を「猫が多い県ランキング」として紹介するのは、ちょっと待ったほうがよさそうですにゃ。

参考:環境省「犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況」

ネットで見かける「猫が多い都道府県ランキング」は何の数字?

検索していると、「猫が多い県ランキング」のような情報を見かけることがあります。

ただし、ランキングを見るときは、何をもとに順位をつけているのか確認してみましょう。

たとえば、

  • 独自アンケートによる猫の飼育率
  • ペット関連サービスの利用者データ
  • 自治体への猫の引取り数
  • 特定の調査対象者をもとにした推計
  • SNSへの投稿数

など、調査によって基準は異なります。

どれも「猫が多い地域」を考えるヒントにはなりますが、日本にいるすべての飼い猫を数えたランキングではありません。

ランキングを見るときは、順位だけでなく「何を数えたランキングなのか」を見ることが大切です。

いつか本当の「猫が多い県ランキング」は作れる?

今後、マイクロチップの普及が進めば、地域ごとの猫の飼育状況を今より詳しく把握できるようになる可能性はあります。

ただし、マイクロチップを装着していない猫や、飼い主のいない猫もいるため、それだけですべての猫を把握できるとは限りません。

そして、「猫が多い地域」を考えるときには、そもそも何を数えるのかという問題もあります。

  • 家庭で飼われている猫
  • 地域猫
  • 飼い主のいない猫

どこまでを「その県にいる猫」とするかによっても、結果は変わります。

本当の意味で日本中の猫を数えるのは、思っていた以上に難しいことなのかもしれません。

猫がいちばん多い都道府県は、今のところわからない

「日本で猫がいちばん多い都道府県はどこ?」

そんな素朴な疑問から調べはじめましたが、現在公表されている統計だけでは、正確なランキングを作ることはできませんでした。

2025年の調査では、日本全国で飼われている猫は約884万7,000匹と推計されています。

しかし、すべての飼い猫を都道府県別に把握する登録制度はなく、自治体が公表している引取り数なども、その地域にいる猫の総数を示すものではありません。

ということで、今回の調査の答えは、

「日本で猫がいちばん多い都道府県は、正確にはわからない」

でした。

ちょっと残念な結果ではありますが、「わからない」ということがわかったのも、ちゃんと調べてみたからこそ。

いつか日本中の猫ちゃんの数がもっと詳しくわかる日が来たら、nekotonikoで本当の47都道府県ランキングを作ってみたいですね。

その日まで、全国の猫さまには各地でのびのび暮らしていただきましょうにゃ。